エテン-1,2-ジイルビスベンゼン 化学特性,用途語,生産方法
解説
スチルベン.シス形およびトランス形の2種類の異性体がある.熱力学的にはトランス形のほうがシス形よりも安定である.トランス形に紫外線を照射するとシス形に変化する.いろいろな製法があるが,ベンゾインをクレメンゼン法で還元し,同時に脱水すればトランス形が得られる.また,α-フェニルケイ皮酸を脱炭酸すればスチルベンが得られるが,脱炭酸の方法によりピペリジン中で加熱すればトランス形が,キノリン中で銅触媒を使って行えばシス形が得られる.このほか,ベンズアルデヒドの低原子価チタンを用いた還元的二量化によってトランス形が,ジフェニルアセチレンの接触水素化によってシス形が得られる.トランス形は結晶.融点124 ℃,沸点306~307 ℃.エタノール,ベンゼン,エーテルなどに可溶.シス形は液体.凝固点6 ℃,沸点135 ℃(1.3 kPa).n25D 1.6188.スチルベン骨格を有する化合物は,医薬品,染料に多く,また,天然にも存在する.
Synthesis Reference(s)
Canadian Journal of Chemistry, 56, p. 1423, 1978
DOI: 10.1139/v78-233Chemistry Letters, 23, p. 1279, 1994
Organic Syntheses, Coll. Vol. 3, p. 786, 1955
安全性プロファイル
Poison by intravenous route. Moderately toxic by intraperitoneal route. Violent reaction with O2. When heated to decomposition it emits acrid smoke and irritating fumes.
エテン-1,2-ジイルビスベンゼン 上流と下流の製品情報
原材料
準備製品