キニーネエチル炭酸エステル 化学特性,用途語,生産方法
外観
本品は白色の結晶で,においはなく,味は初めないが,
徐々に苦くなる.
本品はメタノールに極めて溶けやすく,エタノール(95)又
はエタノール(99.5)に溶けやすく,ジエチルエーテルにやや
溶けやすく,水にほとんど溶けない.
本品は希塩酸に溶ける.
効能
抗マラリア薬
確認試験
(1) 本品のメタノール溶液(1→20000)につき,紫外可視
吸光度測定法〈2.24〉により吸収スペクトルを測定し,本品
のスペクトルと本品の参照スペクトルを比較するとき,両者
のスペクトルは同一波長のところに同様の強度の吸収を認め
る.
(2) 本品につき,赤外吸収スペクトル測定法〈2.25〉の臭
化カリウム錠剤法により試験を行い,本品のスペクトルと本
品の参照スペクトルを比較するとき,両者のスペクトルは同
一波数のところに同様の強度の吸収を認める.
定量法
本品約0.3gを精密に量り,酢酸(100)60mLに溶かし,
無水酢酸2mLを加え,0.1mol/L過塩素酸で滴定する
(電位差滴定法).同様の方法で空試験を行い,補正する.
0.1mol/L過塩素酸1mL=19.82mg C
23H
28N
2O
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純度試験
(1) 塩化物 本品0.30gに希硝酸10mL及び水20mLを加え
て溶かし,その5mLに硝酸銀試液2~3滴を加えるとき,液
は変化しない.
(2) 硫酸塩 本品1.0gに希塩酸5mL及び水を加え
て溶かし,50mLとする.これを検液とし,試験を行う.比
較液は0.005mol/L硫酸1.0mLに希塩酸5mL及び水を加えて
50mLとする(0.048%以下).
(3) 重金属 本品2.0gをとり,第2法により操作し,
試験を行う.比較液には鉛標準液2.0mLを加える(10ppm以
下).
(4) 類縁物質 本品20mgをとり,移動相に溶かし,正確
に100mLとし,試料溶液とする.別に硫酸キニーネ25mgを
とり,移動相に溶かし,正確に100mLとする.この液2mL
を正確に量り,移動相を加えて正確に100mLとし,標準溶
液とする.試料溶液及び標準溶液10μLずつを正確にとり,
次の条件で液体クロマトグラフィー〈2.01〉により試験を行
う.試料溶液の各々のピーク面積を自動積分法により測定し,
面積百分率法によりキニーネエチル炭酸エステルに対する相
対保持時間約1.2に溶出する主不純物の量を求めるとき,
10.0%以下である.また,主ピーク及び上記のピーク以外の
ピークの合計面積は,標準溶液のキニーネのピーク面積より
大きくない.
操作条件
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:235nm)
カラム:内径約4mm,長さ約15cmのステンレス管に
5μmの液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリ
ル化シリカゲルを充てんする.
カラム温度:40℃付近の一定温度
移動相:1-オクタンスルホン酸ナトリウム1.2gを水/
メタノール混液(1:1)1000mLに溶かし,薄めたリン
酸(1→20)を加えてpH3.5に調整する.
流量:キニーネエチル炭酸エステルの保持時間が約20
分になるように調整する.
カラムの選定:本品及び硫酸キニーネ5mgずつを移動相
に溶かし,50mLとする.この液10μLにつき,上記
の条件で操作するとき,キニーネ,ジヒドロキニーネ,
キニーネエチル炭酸エステル,キニーネエチル炭酸エ
ステルの主不純物の順に溶出し,キニーネとジヒドロ
キニーネの分離度が2.7以上,キニーネとキニーネエ
チル炭酸エステルの分離度が5以上のものを用いる.
検出感度:標準溶液10μLから得たキニーネのピーク高
さが5~10mmになるように調整する.
面積測定範囲:キニーネエチル炭酸エステルの保持時間
の約2倍の範囲
貯法
容器 密閉容器.
強熱残分
0.1%以下(1g).
キニーネエチル炭酸エステル 上流と下流の製品情報
原材料
準備製品