安全データシート

4-α-クミルフェノール

改訂日:2024-01-24版番号:1

1. 化学品及び会社情報

製品識別子

  • 製品名: 4-α-クミルフェノール
  • CB番号: CB1710366
  • CAS: 599-64-4
  • EINECS番号: 209-968-0
  • 同義語: 4-α-クミルフェノール,4-クミルフェノール

物質または混合物の関連する特定された用途、および推奨されない用途

  • 関連する特定用途: レジン、殺虫剤、潤滑油等の製造中間体
  • 推奨されない用途: なし

会社ID

  • 会社名:Chemicalbook
  • 住所:北京市海淀区上地十街匯煌国際1号棟
  • 電話:400-158-6606

2. 危険有害性の要約

GHS分類

分類実施日
平成24年。政府向けGHS分類ガイダンス(H22.7版)を使用
GHS改訂4版を使用
健康に対する有害性
急性毒性(経口)   区分4
生殖毒性   区分2
特定標的臓器毒性(反復ばく露)   区分2(腎臓)
環境に対する有害性
水生環境有害性 (急性)   分類実施中
水生環境有害性 (長期間)   分類実施中
オゾン層への有害性   分類実施中

2.2 注意書きも含むGHSラベル要素

絵表示
GHS07
注意喚起語
警告
危険有害性情報
H315 皮膚刺激。
H319 強い眼刺激。
H335 呼吸器への刺激のおそれ。
注意書き
安全対策
P280 保護眼鏡/保護面を着用すること。
応急措置
P304 + P340 + P312 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し,呼吸しやすい姿勢で休息させること。 気分が悪いときは医師に連絡すること。
P305 + P351 + P338 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
P337 + P313 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。

2.3 他の危険有害性

なし

3. 組成及び成分情報

  • 化学物質・混合物の区別: 化学物質
  • 別名: 4-(2-Phenylisopropyl)phenol
  • 化学特性(示性式、構造式 等): C15H16O
  • 分子量: 212.29 g/mol
  • CAS番号: 599-64-4
  • EC番号: 209-968-0
  • 官報公示整理番号: 4-122
  • 安衛法: -

4. 応急措置

4.1 必要な応急手当

一般的アドバイス
医師に相談する。 この安全データシートを担当医に見せる。
吸入した場合
吸い込んだ場合、新鮮な空気の場所に移す。 呼吸していない場合には、人工呼吸を施す。 医師に相談する。
皮膚に付着した場合
石けんと多量の水で洗い流す。 医師に相談する。
眼に入った場合
多量の水で15分以上よく洗浄し、医師の診察を受けること。
飲み込んだ場合
意識がない場合、口から絶対に何も与えないこと。 口を水ですすぐ。 医師に相談する。

4.2 急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状

もっとも重要な既知の徴候と症状は、ラベル表示(項目2.2を参照)および/または項目11に記載されている

4.3 緊急治療及び必要とされる特別処置の指示

データなし

5. 火災時の措置

5.1 消火剤

消火剤
水噴霧、耐アルコール泡消火剤、粉末消火剤、二酸化炭素を使用すること。

5.2 特有の危険有害性

炭素酸化物

5.3 消防士へのアドバイス

消火活動時には必要に応じて 自給式呼吸装置を装着する。

5.4 詳細情報

データなし

6. 漏出時の措置

6.1 人体に対する注意事項、保護具及び緊急時措置

保護具を使用する。 粉塵の発生を避ける。 蒸気、ミスト、またはガスの呼吸を避ける。 十分な換気を確保する。 安全な場所に避難する。 粉塵を吸い込まないよう留意。個人保護については項目 8 を参照する。

6.2 環境に対する注意事項

物質が排水施設に流れ込まないようにする。

6.3 封じ込め及び浄化の方法及び機材

粉塵を発生させないように留意して回収し、廃棄する。 掃いてシャベルですくいとる。 廃棄に備え適切な容器に入れて蓋をしておく。

6.4 参照すべき他の項目

廃棄はセクション13を参照。

7. 取扱い及び保管上の注意

7.1 安全な取扱いのための予防措置

皮膚や眼への接触を避けること。 粉塵やエアゾルを発生させない。粉塵が発生する場所では、換気を適切に行う。標準的な防火方法。注意事項は項目2.2を参照。

7.2 配合禁忌等を踏まえた保管条件

冷所に保管。 容器を密閉し、乾燥した換気の良い場所に保管する。

7.3 特定の最終用途

項目1.2に記載されている用途以外には、その他の特定の用途が定められていない

8. ばく露防止及び保護措置

8.1 管理濃度

コンポーネント別作業環境測定パラメータ
許容濃度が設定されている物質を含有していない。

8.2 曝露防止

適切な技術的管理
十分な衛生的作業を行い安全規定に従って取扱う。 休憩前や終業時には手を洗う。
保護具
眼/顔面の保護
EN166に 適合するサイドシールド付き安全ゴーグル NIOSH(US)またはEN 166(EU)など
の適切な政府機関の規格で試験され、認められた眼の保護具を使用する。
皮膚及び身体の保護具
手袋を着用して取扱う。 使用前に、必ず手袋を検査する。 (手袋外面に触れずに)適切に手袋
を脱ぎ、本製品の皮膚への付着を避ける。 適用法令およびGLPに従い、使用後に汚染手袋を廃
棄する。 手を洗い、乾燥させる。
選ばれた防護手袋は、EU指令2016/425の仕様と、それから派生する規格EN374を満たすもので
なければならない。
身体の保護
不浸透性衣服, 特定の作業場に存在する危険物質の濃度および量に応じて、保護装置のタイプを
選択しなければならない。
呼吸用保護具
不快物質への暴露には、P95型(US)又はP1型(EU EN 143)呼吸用粒子保護具を使用する。
より高度な保護には、OV/AG/P99型(US)又はABEK-P2型(EU EN 143)呼吸用保護具カー
トリッジを使用する。 NIOSH(US)またはCEN(EU)などの適切な政府機関の規格で試験さ
れ、認められた呼吸用保護具および部品を使用する。
環境暴露の制御
物質が排水施設に流れ込まないようにする。

9. 物理的及び化学的性質

物理的状態

形状
結晶(eChem Portal (EnviChem))
白色から黄褐色(eChem Portal (EnviChem))
臭い
フェノール臭(eChem Portal (EnviChem))
臭いのしきい(閾)値
データなし。
pH
データなし。

融点・凝固点

70-73℃(Ullmanns(E) (2003))

沸点、初留点及び沸騰範囲

335℃(Ullmanns(E) (2003))

引火点

データなし。

蒸発速度(酢酸ブチル=1)

データなし。

燃焼性(固体、気体)

データなし。

燃焼又は爆発範囲

データなし。

蒸気圧

0.000023 mmHg(25℃(est))(HPVIS (2009))

蒸気密度

データなし。

比重(相対密度)

データなし。

溶解度

水:43.3 mg/L (25 ℃)(estimated)(SRC (2012))
データなし。

n-オクタノール/水分配係数

4.12 (estimated)(HPVIS (2009))

自然発火温度

データなし。

分解温度

データなし。

粘度(粘性率)

データなし。

10. 安定性及び反応性

10.1 反応性

データなし

10.2 化学的安定性

推奨保管条件下では安定。

10.3 危険有害反応可能性

データなし

10.4 避けるべき条件

データなし

10.5 混触危険物質

酸塩化物, 酸無水物, 酸化剤

10.6 危険有害な分解生成物

有害な分解生成物が火があるとき生成される。 - 炭素酸化物
その他の分解生成物 - データなし
火災の場合:項目5を参照

11. 有害性情報

急性毒性

経口
ラットのLD50値として2件のデータ、>2000 mg/kg[OECD TG 401、GLP](厚労省報告 (Access on Dec. 2012))および1770 mg/kg[FDA guideline、GLP](USEPA/HPV (2002))があり、うち1件が区分外、1件が区分4に該当することから、危険性の高い区分を採り区分4とした。GHS分類:区分4
経皮
データなし。GHS分類:分類できない
吸入:ガス
GHSの定義における固体である。GHS分類:分類対象外
吸入:蒸気
データなし。GHS分類:分類できない
吸入:粉じん及びミスト
データなし。GHS分類:分類できない

皮膚腐食性及び刺激性

データなし。GHS分類:分類できない

眼に対する重篤な損傷性又は眼刺激性

データなし。GHS分類:分類できない

呼吸器感作性

データなし。GHS分類:分類できない

皮膚感作性

データなし。GHS分類:分類できない

生殖細胞変異原性

in vivo試験のデータが無く分類できない。なお、in vitroとして、エームス試験で陰性(厚労省報告 (2000)、USEPA/HPV (2002))、染色体異常試験ではCHL/lU細胞を用いた試験で陰性(厚労省報告 (2000))、CHO細胞を用いた試験で陽性(HPVIS (2009))、マウスリンフォーマ試験で陰性(HPVIS (2009))の報告がある。GHS分類:分類できない

発がん性

データなし。GHS分類:分類できない

生殖毒性

ラットの経口投与による反復投与毒性・生殖発生毒性併合スクリーニング試験(OECD TG 422、GLP)において、50 mg/kg/day以上の用量で親動物(F0)が交配前または交配期間中に雌雄ともに体重変化の抑制を示した一方、高用量(300 mg/kg/day)群で同腹総着床数の統計学的に有意な減少が認められた(HPVIS (2005))ことから区分2とした。なお、いずれの用量群においても1腹当りの仔の総数または生存数に影響はみられず、F1仔の毒性を示す証拠も得られていない。GHS分類:区分2

特定標的臓器毒性(単回ばく露)

ラットの急性経口毒性試験(FDA giideline、GLP)において、625または1250 mg/kgの用量で、鼻鏡部の赤い汚れ、立毛、軽度の抑制、尿生殖器の茶褐色の汚れ、頻呼吸、被毛の汚れなどが観察され、2500および5000 mg/kgでは上記症状に加え、鼻鏡部の粘液様汚れ、円背位姿勢がみられ、全例が死亡した(USEPA/HPV (2002))。ラットに経口投与した別の単回投与試験(OECD TG 401、GLP)では、1500および2000 mg/kgの投与で下痢および体重増加抑制がみられたが、死亡例もなく、投与後14日間の観察で重篤な毒性症状は認められなかった(厚労省報告 (Access on Dec. 2012))と報告されている。以上の得られたデータの範囲では、標的臓器の特定は困難であり、また、ガイダンス値の境界値(2000 mg/kg)における影響についても詳細不明なため「分類できない」とした。GHS分類:分類できない

特定標的臓器毒性(反復ばく露)

ラットの28日間反復経口投与毒性試験(用量:0、100、300、1000 mg/kg/day)において、雌雄ともにガイダンス値範囲を超える1000 mg/kg(90日換算:311 mg/kg))群で腎臓に顆粒円柱等がみられ、300 mg/kg(90日換算:93.3 mg/kg))群では腎障害に関連すると考えられる飲水量の増加、および雄で尿細管上皮の再生例の増加が認められた(厚労省報告 (Access on Dec. 2012))と報告されている。さらに、ラットの経口投与による反復投与毒性・生殖発生毒性併合スクリーニング試験(OECD TG 422、GLP)において、雄の300 mg/kg/day(90日換算:93.3 mg/kg/day)群で病理組織学的所見として用量に相関した腎臓の病変が記載されている(HPVIS (2005))。以上の知見は用量的にガイダンス値区分2に相当することから、区分2(腎臓)とした。なお、肝臓の所見については、ガイダンス値範囲内の用量では組織学的変化を伴わず、重量変化のみのため採用しなかった。GHS分類:区分2(腎臓)

吸引性呼吸器有害性

データなし。GHS分類:分類できない

12. 環境影響情報

12.1 生態毒性

データなし

12.2 残留性・分解性

データなし

12.3 生体蓄積性

データなし

12.4 土壌中の移動性

データなし

12.5 PBT および vPvB の評価結果

化学物質安全性評価が必要ではない/行っていないため、PBT/vPvB評価データはない。

13. 廃棄上の注意

13.1 廃棄物処理方法

製品
免許を有する廃棄物処理業者に、余剰物で再使用不可の溶液として処理を依頼する。 専門の廃棄物処理業者に処理を依頼する。 可燃性溶剤に溶解または混合し、アフターバーナーとスクラバーが備えられた化学焼却炉で焼却する。汚染容器及び包装製品入り容器と同様に処分する。

14. 輸送上の注意

14.1 国連番号

ADR/RID (陸上規制): -    IMDG (海上規制): -    IATA-DGR (航空規制): -

14.2 国連輸送名

ADR/RID (陸上規制): 非危険物
IMDG (海上規制): Not dangerous goods
IATA-DGR (航空規制): Not dangerous goods

14.3 輸送危険有害性クラス

ADR/RID (陸上規制): -    IMDG (海上規制): -    IATA-DGR (航空規制): -

14.4 容器等級

ADR/RID (陸上規制): - IMDG (海上規制): - IATA-DGR (航空規制): -

14.5 環境危険有害性

ADR/RID: 非該当 IMDG 海洋汚染物質(該当・非該当): IATA-DGR (航空規制): 非該当
非該当

14.6 特別の安全対策

なし

14.7 混触危険物質

酸塩化物, 酸無水物, 酸化剤

15. 適用法令

該当法規なし。

16. その他の情報

略語と頭字語

ADR: 道路による危険物の国際輸送に関する欧州協定
CAS: ケミカルアブストラクトサービス
EC50: 有効濃度 50%
IATA:国際航空運送協会
IMDG: 国際海上危険物
LC50: 致死濃度 50%
LD50: 致死量 50%
RID: 鉄道による危険物の国際運送に関する規則
STEL: 短期暴露限度
TWA: 時間加重平均

参考文献

【1】労働安全衛生法 ウェブサイト https://www.mhlw.go.jp
【2】化学物質審査規制法(化審法)https://www.env.go.jp
【3】化学物質排出把握管理促進法(PRTR法) https://www.chemicoco.env.go.jp
【4】NITE化学物質総合情報提供システム (NITE-CHRIP)https://www.nite.go.jp/
【5】カメオケミカルズ公式サイト http://cameochemicals.noaa.gov/search/simple
【6】ChemIDplus、ウェブサイト http://chem.sis.nlm.nih.gov/chemidplus/chemidlite.jsp
【7】ECHA - 欧州化学物質庁、ウェブサイト https://echa.europa.eu/
【8】eChemPortal - OECD 化学物質情報グローバルポータル、ウェブサイトhttp://www.echemportal.org/echemportal/index?pageID=0&request_locale=en
【9】ERG - 米国運輸省による緊急対応ガイドブック、ウェブサイトhttp://www.phmsa.dot.gov/hazmat/library/erg
【10】有害物質に関するドイツ GESTIS データベース、ウェブサイトhttp://www.dguv.de/ifa/gestis/gestis-stoffdatenbank/index-2.jsp
【11】HSDB - 有害物質データバンク、ウェブサイト https://toxnet.nlm.nih.gov/newtoxnet/hsdb.htm
【12】IARC - 国際がん研究機関、ウェブサイト http://www.iarc.fr/
【13】IPCS - The International Chemical Safety Cards (ICSC)、ウェブサイトhttp://www.ilo.org/dyn/icsc/showcard.home
【14】Sigma-Aldrich、ウェブサイト https://www.sigmaaldrich.com/
免責事項:

本MSDS中の情報は指定された製品にのみ適用され、特に規定がない限り、本製品とその他の物質の混合物には適用されません。本MSDSは、製品使用者の適切な専門的なトレーニングを受けた者にのみ製品安全情報を提供します。本MSDSの使用者は、本SDSの適用性について独自に判断しなければならない。本MSDSの著者は、本MSDSの使用によるいかなる傷害にも責任を負わない。

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